2012年3月29日木曜日

フィルムスキャナー

今、古い&使っていない機材の整理を行っている。
フィルム/テープ/SD関連機材/コンデジ/レコーダー/ミキサー/モニター・・・とにかく多い。

その中でひとつ気になったもの。
それはフィルムスキャナー。
気になったというか、想像してみた。

過去にたくさん撮ったフィルムをデジタル化して、その写真を撮った時のことを思い出して、たくさんの出会った人たち、去った人たちのことを思い出して。

きっとおれは恥ずかしいことを思い出して赤くなったり、大声を出して喜んだ時や涙した時のことを思い出して体が熱くなるんだろう。

その作業が、ライトボックス&ルーペという組み合わせから、PC&スキャナー&画像補正ソフト&モニターという組み合わせに変わったとしても、赤くなったり熱くなったりすることは変わらないんだと思う。

ちょうど、2ヶ月ほど前に実家が引越した際、何故だか知らないけれど、昔のフィルムやプリントの入ったダンボールをアジトに持ってきてしまった。

だが、使わない機材を処分している最中のおれが、断捨離を声を大にして実行中の今のおれが、やはりデジタル化という建前のもと、再び赤くなったり熱くなったりする行為は、もしライトボックスの上から覗き込むルーペによってフィルムの中に吸い込まれてしまったり、またモニターの中に飲み込まれてしまったり、いや『してしまったり』ではなく、『その時に戻れる』のであれば、おれは死ぬまでの間、毎日休むことなく過去のフィルムをデジタル化していることだろう。

しかし、それはすなわち自分を消してしまおうと考えてしまったあの時のおれであり、その行為によって時を止めてしまったあの時のおれであり。


でも、それでもやっぱり、桜の咲く季節にはやっぱり君を思い出してしまうんだ。

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